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ガイド · ロイヤルティの測定

顧客維持率の計算方法:ポイントカードの効果を見極めるには

顧客維持率とは、ある期間のお客様のうち、次の期間も来店し続けている割合のことです。顧客維持率の計算方法は、(期末の顧客数−新規顧客数)÷期首の顧客数×100です。カフェやサロンでは、確認済みの来店で実際に再来店した人を数え、似た期間どうしで比べてください。

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顧客維持率とは?

顧客維持率は、期間の初めにいたお客様のうち、期間の終わりにも残っている人の割合を示します。0〜100の数値で、100%なら誰も離れておらず、0%なら期首のお客様が1人も残っていないことになります。

好意や満足度ではなく、「また来てくれる」という行動を測る指標です。そのため、ポイントカードや特典プログラムが機能しているかを判断するうえで、最も役立つ数字といえます。イタリア全体でポイントカードを使う人がどのくらいいるかといった全国的な状況は顧客ロイヤルティの統計にまとめています。このガイドで扱うのは、ご自身のお店の数字です。

顧客維持率には近い指標が2つあります。失ったお客様を数える離脱率(チャーン率)と、少なくとも2回目の来店があったお客様を数えるリピート率です。それぞれの計算方法と使い分けを、以下で説明します。

顧客維持率の計算式と計算方法

顧客維持率は、同じ期間の3つの数字から計算します。期首の顧客数(S)、期末の顧客数(E)、その間に増えた新規顧客数(N)です。計算式は ((E − N) ÷ S) × 100 です。新規顧客は期首にはいなかったため差し引きます。この手順を省くと、新しい顔ぶれが多い月に、離れてしまったお客様が見えなくなってしまいます。

表の計算例は、Salesforceが顧客維持率のガイドで公開しているものです(2026年10月30日閲覧)。月初の顧客数が107人、8人が離れ、21人が加わって月末は120人になり、顧客維持率は92.5%となります。

顧客維持率の計算手順(Salesforceの例)
手順数えるもの例
1. 期首の顧客数(S)期間の初日に顧客だった全員107
2. 新規顧客数(N)期間中に新たに顧客になった全員21
3. 期末の顧客数(E)最終日時点の全顧客(既存と新規の合計)120(既存99+新規21)
4. 維持できた顧客数E − N120 − 21 = 99
5. 顧客維持率(E − N) ÷ S × 10099 ÷ 107 × 100 = 92.5%

カフェ・サロン・ジムに合わせた計算方法

従来の計算式は、誰が顧客なのかが常に分かるサブスクリプションや契約型のビジネス向けにつくられています。カフェやサロンでは解約する人はおらず、お客様はただ来なくなるだけです。そのため店舗型のビジネスでは、「顧客である」とは一定期間内に少なくとも1回来店したことを意味します。

実務的には、同じ長さの2つの期間を比べます。最初の期間に来店したお客様のうち、次の期間にも来店した人が何人いるかを数えます。仮の例として、10月にカードを使ったお客様が200人いたカフェで、11月にも来店したのが88人だったとします。10月から11月の顧客維持率は 88 ÷ 200 = 44% です。

期間は、常連のお客様の来店リズムに合わせて決めます。通常の来店間隔の少なくとも2倍の長さにしないと、たまたま来店の合間だった人を離脱と数えてしまいます。表はこの目安をさまざまなリズムに当てはめたものです。リズムはあくまで例で、業界の平均ではありません。

測定期間の長さの目安(目安:通常の来店間隔の2倍以上/仮のリズム)
常連のお客様の来店頻度例測定期間の目安(最低)
毎日、またはほぼ毎日会社の近くのカフェでコーヒー2週間
毎週金曜日のピザ、ベーカリー1か月
3〜4週間ごと理容室、美容室でのブロー2か月
6〜8週間ごとヘアカラー、エステ4か月
年に数回記念日用のフラワーショップ、年末年始のワインショップ1年(前年と比較)

リピート率、来店頻度、来店間隔

リピート率は、期間中に来店したお客様のうち、少なくとも2回目の来店があった人の割合です。計算式は、来店2回以上のお客様数 ÷ 来店1回以上のお客様数 × 100 です。1か月に150人のカード会員が来店し、そのうち57人が2回以上来店した場合、リピート率は38%になります。

顧客維持率が2つの期間を比べるのに対し、リピート率は1つの期間だけを見ます。そのため読み取りが早く、新しいカードを始めて間もない時期でも役立ちます。弱点は、期間が長くなるほど自然に高くなる点です。必ず同じ長さの期間どうしで比べてください。

さらに2つの数字を見ると全体像がつかめます。1人あたりの来店回数は、期間中の来店数をアクティブなお客様の数で割ったものです。これが増えていれば、同じお客様がより頻繁に来ていることになります。平均来店間隔は、常連のお客様が来店のタイミングに遅れ始めた時期を教えてくれるため、連絡する時期を決める基準になります。

離脱率(チャーン率):顧客維持率の裏返し

離脱率は、ある期間に失ったお客様の割合です。同じ母数で見れば顧客維持率の補数になり、顧客維持率が44%なら離脱率は56%です。

店舗型のビジネスでは、全員ではなく常連のお客様を対象に離脱率を計算するのが有効です。観光で一度立ち寄っただけの人は、失ったお客様ではありません。実務的な目安として、常連のお客様が通常の来店間隔の2倍以上来ていなければ、離脱とみなします。仮の例として、9月の常連60人のうち、10月末までに5人が離脱した場合、常連の離脱率は 5 ÷ 60 = 8.3% です。

離脱率の上昇は、お客様がまだお店を覚えているうちにすぐ動くべきサインです。何をいつ送るかは、離れたお客様を呼び戻す方法のガイドで解説しています。

ポイントプログラムのKPI:見るべき数字

ポイントプログラムの評価は、いくつかの指標で行います。それぞれが特定の問いに答えます。表に計算式と例をまとめました。例の数字は仮のものです。

特典交換率には注目してください。特典に届くお客様が多いのに受け取る人が少なければ、特典に魅力がない可能性があります。代わりの案はポイントカードの特典アイデアに、各特典にかかるコストは特典コスト計算ツールにあります。

ポイントプログラムのKPI:計算式、答える問い、仮の例
指標計算式答える問い例
顧客維持率期間Aのお客様のうち期間Bにも来店した人数 ÷ 期間Aのお客様数どのくらいのお客様が残っているか?200人中88人 = 44%
リピート率来店2回以上のお客様数 ÷ 期間中のアクティブなお客様数どのくらいのお客様が2回目以降も来ているか?150人中57人 = 38%
1人あたりの来店回数期間中の来店数 ÷ アクティブなお客様数同じお客様がより頻繁に来ているか?420 ÷ 150 = 2.8
常連の離脱率離脱した常連のお客様数 ÷ 期首の常連のお客様数常連のお客様をどのくらい失っているか?60人中5人 = 8.3%
新規登録数期間中に有効化されたカードの数カードは気づかれているか?1か月で45枚
特典交換率交換された特典数 ÷ 獲得された特典数特典は魅力的か?24個中18個 = 75%
特典獲得までの期間初回来店から特典獲得までの平均日数目標は達成可能な水準か?合計日数 ÷ 獲得された特典数

ポイントプログラムが機能しているかを見極める方法

ほかの条件が同じなら、以前より多くのお客様が戻ってくる、または以前より頻繁に戻ってくるようになっていれば、ポイントプログラムは機能しています。最も簡単な確認方法は、開始前の通常の期間の数字を記録しておき、開始後に同じ長さ・同じ季節の期間と比べることです。

ただし、この比較だけでカードの成果だと断定はできません。天気、祝日、道路工事、キャンペーン、営業時間の変更なども来店数を左右します。プログラムの数字は何が起きたかを示しますが、理由を知るには、ほかの要因も見る必要があります。それでも、改善策を示唆するほどはっきりしたパターンがいくつかあります。

  • 登録は多いのに2回目の来店が少ない:最初の特典が遠すぎるか、ルールが分かりにくい状態です。目標を短くするか、ウェルカムスタンプを試してください。
  • 獲得された特典は多いのに交換が少ない:特典に魅力がないか、お客様が特典を持っていることを知りません。特典を見直すか、レジカウンターでひと言伝えてください。
  • リピート率は安定しているのに1人あたりの来店回数が減っている:お客様は残っているものの、来店頻度が下がっています。来店間隔を確認し、間隔が空いているお客様に連絡してください。
  • 登録が止まっている:スタッフがカードを案内していません。割引よりも、レジカウンターのQRコードと、会計時の決まったひと言のほうが効果的です。アイデアはポイントカードを告知する方法のガイドにあります。
  • シフトごとに数字が異なる:全員が同じようにルールを運用していません。プログラムを変える前に、レジカウンターでの対応をそろえてください。

顧客維持率を測るときのよくある間違い

誤った数字の多くは、計算式ではなくお客様の数え方から生まれます。以下はよくある間違いで、数え方のルールを決めて固定すれば、ほとんどなくなります。

  • 週と月のように、長さの異なる期間を比べる:期間が長いほど、リピート率は必ず高くなります。
  • 8月と10月のように、異なる季節を断りなく比べる:多くのお店では、差の大部分が季節要因によるものです。
  • 人ではなくスタンプやレシートを数える:スタンプ10個は、10人のお客様かもしれませんし、毎日来る1人のお客様かもしれません。
  • 顧客維持率の計算に新規顧客を含める:数字が膨らみ、離れた人が見えなくなります。
  • テスト用カード、スタッフ用カード、重複したカードを残す:顧客数が少ないと、結果が大きく歪みます。
  • 少ない数字から結論を出す:顧客が12人なら、1人で8パーセントポイント以上の差になります。少なくとも数十人のお客様、または比較できる複数の期間がそろうまで待ってください。

Iterum(FIDUS提供)での顧客維持率の測定

Iterum(FIDUS提供)では、これらの数字がダッシュボードの「結果」セクションで自動計算されます。すべてのプランに含まれています。集計の基になるのは確認済みの来店、つまりレジカウンターでスタッフが確認した来店です。取り消された来店はすべての集計から除外されます。お客様はアプリのダウンロード不要で、スマートフォンでカードを使えます。

Iterumのリピート率は、期間中のアクティブなお客様に対する再来店したお客様の割合を示します。期間中に2回以上来店した場合、または以前の来店に続いて1回来店した場合に、再来店したお客様と数えます。あわせて、確認済みの来店数、アクティブなお客様数、1人あたりの平均来店回数、新規顧客数、登録数、獲得・交換された特典数、カードごとの特典交換率、曜日別の来店数、登録経路も確認できます。

コホート分析では、各月に登録したお客様のうち、1か月後、2か月後、3か月後に何人が戻ったかが分かります。登録数が5件未満の月は、プライバシーへの配慮と、母数が小さいと割合の意味が薄いことから表示しません。期間は、7日・30日・90日、今月、先月、または最大366日までの任意の日付から選べ、必要に応じて店舗ごとに絞り込めます。データはCSVでエクスポートできます。

Iterumはレシートやレジのデータは読み取りません。客単価は、お使いのPOSシステムで管理することになります。カードの設定方法はIterumの仕組みで説明しています。7日間無料トライアルなら、最初のお客様から自店の数字を確認できます。

出典と方法

従来の計算式とその計算例は、Salesforceのページ「Customer retention rate: formula & improvement tips」(顧客維持率:計算式と改善のヒント)(salesforce.com/eu、2026年10月30日閲覧)に基づいています。Iterumの指標の定義は、同日時点のダッシュボード「結果」セクションで使われているものです。

このページのほかの数字はすべて、計算方法を示すために選んだ仮の例です。業界の平均値でも、Iterumのお客様の実績でもありません。ポイントカードに関する全国的な数字は、出典と年とともに顧客ロイヤルティの統計にまとめています。

よくあるご質問

顧客維持率の計算方法を教えてください。
計算式は ((E − N) ÷ S) × 100 です。期末の顧客数から新規顧客数を引き、期首の顧客数で割って100を掛けます。店舗型のビジネスでは、2期間で比べる方法がよく使われます。最初の期間に来店し、次の期間にも来店したお客様数を、最初の期間のお客様数で割ります。
顧客維持率はどのくらいが良い水準ですか?
すべてに当てはまる数字はありません。業種、来店のリズム、期間の長さによって変わります。ネットで見かける平均値は、サブスクリプション、ソフトウェア、ECのものが多く、カフェやサロンのものではありません。役立つのは、同じ長さの前の期間や、前年の同じ季節との比較です。
顧客維持率とリピート率の違いは何ですか?
顧客維持率は2つの期間を比べ、最初の期間のお客様のうち次の期間にも来店した人数を見ます。リピート率は1つの期間を見て、アクティブなお客様のうち2回以上来店した人数を測ります。前者は時間の経過に伴う比較に向き、後者はより手早く、始めたばかりのカードでも役立ちます。
顧客維持率と離脱率の違いは何ですか?
同じ計算の表裏です。顧客維持率は残った人を、離脱率は失った人を測ります。同じ母数なら合計は100%になり、44%が残ったなら56%を失ったことになります。店舗型のビジネスでは、一度だけ来店した人ではなく、常連のお客様を対象に離脱率を計算するのが有効です。
顧客維持率はどのくらいの頻度で測るべきですか?
変化に気づくには月1回の確認で十分ですが、測定期間は通常の来店間隔の少なくとも2倍にします。毎日来店するカフェなら2週間、理容室なら2か月です。プログラムを変える前に、比較できる期間を少なくとも2〜3回分そろえてください。
ソフトウェアなしでも顧客維持率は測れますか?
測れます。番号付きの紙のカードとノートがあれば、登録数、完成したカード、渡した特典を数えられます。ただし紙のカードはお客様の手元に残るため、誰がいつ戻ってきたかを把握するのは難しくなります。デジタルカードなら確認済みの来店がすべて記録されるので、手計算なしでリピート率やコホートを確認できます。